特注什器の製作現場で飛び交う専門用語をサクッと解説するショートコラム。
今回は、什器と床が接する「足元」を守り、使い勝手や寿命を左右する重要なパーツ、「台輪(だいわ)」と「蹴込み(けこみ)」をご紹介します。
「台輪(だいわ)」とは?
台輪とは、什器の本体を床から少し浮かせて支えるための「枠状の土台」のことです。
店舗のレジカウンターや壁面の陳列棚などの一番下にある、少し奥まっていたり、汚れが目立たないように黒などの色に切り替わっていたりする台座の部分を指します。
- 役割①:重量を支え、水平を保つ
什器全体の重量をしっかり支える基礎です。
店舗の床のわずかな傾きや不陸(凹凸)を調整し、什器をガタつきなく水平に設置するための重要な役割を担っています。 - 役割②:湿気やホコリから本体を守る
本体の収納部分などが直接床に触れないように少し浮かせることで、床からの湿気やホコリの侵入を防ぎ、什器そのものや中に収納する商品を清潔に保ちます。 - 役割③:壁にピタリと寄せる「巾木よけ」と配線スペース
建物の壁の足元にある「巾木(出っ張り)」を避けるよう、台輪の背面を少し切り欠くなどの加工を施すことで、什器を壁に隙間なくピタリと設置できます。
また、台輪内部の空洞は、レジや電飾用のコンセント配線を隠して通すルートとしても活用されます。
「蹴込み(けこみ)」とは?
蹴込みとは、台輪(足元)を什器の本体よりも数センチ内側に引っ込ませた「つま先を入れるためのスペース」のことです。
- 役割
レジカウンターや作業台など、人がピタリと寄り添って立つ什器に欠かせない構造です。
もし足元がフラット(壁のように真っ直ぐ)だと、つま先が当たってしまい、前のめりの不自然な姿勢になってしまいます。
蹴込みがあることで、つま先が什器の下に入り込み、自然な姿勢で作業や接客ができるようになります。 - 一般的な寸法
什器の種類によりますが、奥行きが50mm~100mm程度、高さが60mm~100mm程度に設定されるのが一般的です。

💡 補足:什器の足元を守る「巾木(はばき)」
先ほど建物の壁の足元にある出っ張りを「巾木」と呼びましたが、什器用語としても、台輪の表面(外側)に貼る化粧材や立ち上がり部分を「巾木」と呼ぶことがあります。
掃除機、モップ、台車、靴のつま先などが日常的に激突する場所であるため、什器本体に傷がついたり汚れが染み付いたりするのを防ぐバンパーのような役割を果たします。
傷がつきやすい場所のため、木目ではなく、強度が高く水拭きしやすい「ステンレス(SUS)」を貼ったり、汚れが目立たない「黒などの濃い単色のポリ合板」を採用したりするのが一般的です。
まとめ
| 用語 | 意味 | 什器における主な働き |
| 台輪(だいわ) | 什器本体を載せる基礎・土台 | 水平を保つ、巾木よけ、配線を隠す |
| 蹴込み(けこみ) | つま先を入れるためのくぼみ | 人が自然な姿勢で什器に近づけるようにする |
このように「台輪」や「蹴込み」は、デザインの美しさだけでなく、壁との隙間をなくす「納まり」や、数年後の「メンテナンスのしやすさ」、そして「スタッフの働きやすさ」に直結する足元のパーツです。
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