特注什器の製作現場で飛び交う専門用語をサクッと解説するショートコラム。
今回は、前回ご紹介したスリット柱(レール)とセットでも使用し、棚板を支える最重要パーツ「ブラケット」をご紹介します。
「ブラケット」とは?
ブラケットとは、壁面や什器に取り付けて棚板やパイプを支える「棚受け金具」の総称です。
一言でブラケットと言っても、現場では用途や必要な強度に合わせた素材(鉄、ステンレス、アルミ)や陳列する商品の種類や見せ方に合わせて、さまざまな形のブラケットを使い分けます。
店舗でよく使われるブラケットの種類
- L型ブラケット(アングル)
アルファベットの「L(エル)」の形をした最もシンプルで定番の金具です。
現場では「Lアングル」「L字金具」などとも呼ばれます。
壁面に直接ビスで打ち込んで固定することが多く、場所を取らずスッキリと収まるのが特徴です。 - 三角型ブラケット(持ち送り)
L型ブラケットの縦横の間に、斜めの筋交い(補強)が入った形状です。
建築や什器の現場では「持ち送り」と呼ばれることもあります。
L型よりも圧倒的に強度が高いため、お酒の瓶や重い食器などを陳列する高耐荷重の棚で活躍します。 - ストレート(I型)ブラケット
壁から一本の棒が突き出たような真っ直ぐな形状です。
前回ご紹介した「スリット柱(レール)」の穴に爪をガチッと引っ掛けて使うタイプに多く見られます。
余計な補強パーツが見えないためデザイン性が高く、アパレルや雑貨店のディスプレイ棚で最も一般的に使われます。 - ハンガー用(a型・コの字型)
棚板ではなく、洋服を掛ける丸パイプや角パイプを通すための専用の形状をしたブラケットです。

プロの設計ポイント💡安全性と見た目を左右する「耐荷重」と「形状」
ブラケットを選ぶ際、プロの設計者が最も慎重にシミュレーションするのが「中に入れる商品の重さ(耐荷重)」と「見栄え」のバランスです。
例えば、ストレート型(I型)はスッキリして美しい反面、重いものを載せすぎると根元から曲がってしまうリスクがあります。そのため、重い商品を陳列するエリアだけは、デザイン性を少し譲ってでも斜めの補強が入った「三角型」を選んだり、厚みのある頑丈な素材に変更したりと、安全設計を徹底します。
また、あえて棚板を少し斜めに傾けて商品をディスプレイしたいときは、角度を数段階に調整できる「傾斜ブラケット」を採用するなど、見せ方に応じた工夫も施されます。
どんな商品を、どう並べたいかによって、選ぶべきブラケットの形や強度は全く変わります。たかが金具一つですが、デザインの美しさだけでなく、日々の運用の安全性を第一に考えて最適なパーツを見極めることが、長く安全に使える店舗什器づくりの基本となります。
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