
店舗の使い勝手とデザインを左右する「特注什器の設計」について解説するコラムシリーズ。
第2回は、ジュエリーやスイーツなどの商品を美しく引き立てる主役級の什器「ガラスショーケース」について。
安全性を確保するガラスの構造から、商品を最も魅力的に照らす照明の設計、そしてお店のコンセプトに合わせた最適なケースの選び方をプロの視点で解説します。
視界を遮らない「ガラスの接合方法」
高級店やこだわりのモノづくりでガラスショーケースが選ばれる最大の理由は、その圧倒的な「透明感」と「重厚感」にあります。
その美しさを支えるのが、柱や枠(フレーム)をなくした「フレームレス構造」です。
ガラスの小口(断面)同士を特殊な接着剤で直接貼り合わせる「UV接着(紫外線硬化樹脂接着)」という技法がよく使われます。
接着面が完全に透明に仕上がるため、どの角度から見ても視界を遮るものがなく、どこから見てもクリアで美しいディスプレイが完成します。

商品を輝かせる「照明(LED)」の当て方
ショーケースにおいて、照明は「命」です。
- 光源を隠す設計(グレア対策)
お客様の目に直接LEDの強い光が入ると、眩しさで商品に集中できなくなってしまいます。
手前側に目隠し(幕板)を設けたり、斜め下に向けて照射する極小のラインLEDを使用したりして、「光は見えるが、光源は見えない」状態を作るのが基本です。 - 色温度の使い分け
ダイヤモンドやシルバーはシャープに輝く「昼白色(寒色系)」、ゴールドやスイーツなどは温かみが出て美味しそうに見える「電球色(暖色系)」を選ぶと、商品の魅力が引き立ちます。

「ガラス」か「アクリル」かの選択基準
ガラスショーケースは非常に美しい反面、UV接着のような高度な職人技術を要するため高価になります。
また、重量があり割れるリスクも伴うため、チェーン店やカジュアルな店舗では、価格面や安全性を考慮して「アクリル製」で代用するケースも多く見られます。
プロが素材を選ぶ際、コスト以外に重要視する「メンテナンス性」と「運用面」での明確な違いは以下の通りです。
ガラス製のメリット・デメリット
- メリット(硬度と耐薬品性)
表面が硬いため、乾拭きしても細かい傷がつきません。
また、アルコール消毒液を気兼ねなく使えるため、手垢がついてもすぐにピカピカの状態に戻せます。
長期間、新品同様の圧倒的な透明感と高級感を維持できるのが最大の強みです。 - デメリット(重さと割れ)
非常に重く、一度設置すると移動が困難です。
また、強い衝撃で割れるリスクがあるため、取り扱いに細心の注意が必要です。
アクリル製のメリット・デメリット
- メリット(安全性と軽さ)
ガラスの数十倍の耐衝撃性があり、万が一ぶつかっても粉々に割れません。
また、重量がガラスの約半分のため、スタッフによるレイアウト変更が容易です。 - デメリット(傷とアルコールへの弱さ)
表面が柔らかいため、ホコリを乾いた布で拭くだけで細かい擦り傷が蓄積し、全体が白く濁ってくることがあります。
また、アルコール消毒液を吹きかけると「ケミカルクラック」と呼ばれる細かいヒビ割れが一気に発生してしまうため、中性洗剤などでの優しい手入れが必須となります。


まとめ:ブランドの世界観と運用スタイルで選ぶ
✅「一度置いたら動かさず、常に最高の透明度でハイエンドな商品を魅せたいならガラス」
✅「レイアウト変更が多く、お客様との距離が近くて安全性を最優先するならアクリル」
このように、ショーケースの素材や構造は、単なる見た目の好みだけでなく「店舗の運用スタイル」から逆算して選ぶことが成功の鍵となります。
コレカでは、職人技が光るハイクオリティなガラス接着から、コストパフォーマンスに優れたアクリル製ショーケースまで、店舗のスタイルとご予算に合わせた最適なプランをご提案いたします。
ケースの製作でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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