特注什器の製作現場で飛び交う専門用語をサクッと解説するショートコラム。
第3回となる今回は、箱型什器の骨格を形作る基本パーツ、「天板(てんばん)」と「帆立(ほたて)」をご紹介します。
「天板(てんばん)」とは?
天板とは、陳列棚やレジカウンター、テーブルなどの「一番上にある水平な板」のことです。
お店に入ったお客様の視線が最も集まる「什器の顔」であり、商品を直接ディスプレイするメインステージでもあります。
レジカウンターであれば、お客様と金銭のやり取りをしたり、スタッフが作業を行ったりする最もよく使われる場所です。
素材選びの特徴
常に物が置かれ、手で触れられる場所であるため、傷や汚れへの強さが求められます。
木目調であれば表面が硬いメラミン化粧板が定番ですが、ジュエリーなどの高級品を扱う場合はガラスや人工大理石が選ばれるなど、お店の用途と世界観に合わせて最も素材にこだわる部分です。
「帆立(ほたて)」とは?
帆立とは、本棚や陳列棚などの両サイドにある縦の「側板(そくばん・がわいた)」のことです。
一番上の板を「天板(てんばん)」、一番下の板を「地板(じいた)」と呼ぶのに対し、縦に立つ板を「帆立(ほたて)」と呼びます。
船の帆を立てたような形に見えるから、あるいは二枚貝のホタテが立っているように見えるからなど、名前の由来には諸説あります。
帆立の役割と種類
帆立の最大の役割は、天板や内部の棚板を横からしっかり支える「構造の壁」になることです。
この帆立の内側に、第1回でご紹介した「スリット柱(棚受けレール)」などを仕込んで棚を作っていきます。
横幅が広い什器の場合は、両サイドだけでなく真ん中にも縦の板を入れますが、これは「中帆立(なかほたて)」と呼ばれます。
また、木材で完全に側面を塞ぐだけでなく、抜け感を出すためにスチール(鉄)のパイプなどをハシゴ状(枠状)に組んだものを「フレーム帆立」や「ラダー帆立」と呼んだりもします。

普段何気なく見ているお店の棚やカウンターですが、実はこれらの「板の厚み」ひとつをとっても、たわみを防ぐ強度とお店の世界観を作るデザイン性の両方が綿密に計算されています。
「天板の素材」や「帆立の形状」に少し注目してみるだけでも、そのお店のこだわりが見えてくるかもしれません。
次回は、什器の足元を構成する基本用語をご紹介します。
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