特注什器の製作現場で飛び交う専門用語をサクッと解説するショートコラム。
今回は、テーブルの下や棚板の裏側など、什器の「見えない部分」で大活躍している2つの用語、「幕板(まくいた)」と「前垂れ(まえだれ)」をご紹介します。
どちらも「天板や棚板に対して、垂直に下へ垂れ下がるように取り付ける板」のことですが、現場では目的によって呼び方や使い方が少し異なります。
「幕板(まくいた)」とは?
「幕板」とは、テーブルの天板下や、棚板の下部などに取り付ける横長の板のことです。
主に以下の2つの重要な役割を持っています。
- 構造的な補強(たわみ・揺れ防止)
長い棚板やテーブルの天板は、重いものを載せると中央がたわんでしまいます。
そこに垂直方向の「幕板」を一本通すことで、構造的な「梁(はり)」の役割を果たし、強度が飛躍的にアップします。テーブルの脚がグラグラするのを防ぐ効果もあります。
- 足元や裏側の目隠し
カウンターテーブルなどで、スタッフの足元や、裏側の配線・収納物をお客様側から見えないように隠す「目隠し(スクリーン)」としての役割も果たします。
「前垂れ(まえだれ)」とは?
「前垂れ」とは、その名の通り「棚板などの一番手前(前)の端っこに、下に垂れ下がるように付けた板」のことです。
こちらは強度よりも、「デザイン性」や「機能性」を目的とすることが多いです。
- 什器に「重厚感(ボリューム)」を出す
本当は20mmの薄い板でも、先端に50mmの前垂れをつけることで、正面から見ると「50mmの分厚くて立派な一枚板」のように見せることができます。重さを抑えつつ高級感を演出する特注什器の定番テクニックです。
- LED照明と配線を隠す
棚下照明(間接照明)を入れる際、前垂れの裏側にLEDテープライトを仕込みます。
前垂れがあることで、お客様の目に直接まぶしい光源が入らず、商品だけを美しく照らすことができます。

まとめ:用途で変わる「垂れ下がる板」の呼び方
一見同じようなパーツに見えても、設計するプロは目的によって用語を使い分けています。
| 用語 | 主な目的 | よく使われる場所 |
|---|---|---|
幕板(まくいた) | 強度アップ(たわみ防止)、目隠し | テーブルの天板下、長い棚板の下、カウンターの足元 |
| 前垂れ(まえだれ) | 分厚く見せるデザイン、照明の光源隠し | ディスプレイ棚の先端、間接照明を入れる箇所 |
「重いものを載せたいから、幕板を入れて補強しよう」
「棚下照明を入れたいから、先端は前垂れの仕様にしておいて」
このように、板を一枚下に垂らすだけで、什器はグッと頑丈になり、美しさも増します。図面を見る際に、ぜひこの裏方パーツの存在に注目してみてください。
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