特注什器の製作現場で飛び交う専門用語をサクッと解説するショートコラム。
今回は、分厚い棚板やカウンターの「中身」に関する用語、「フラッシュ構造」と「ベタ芯(べたしん)」をご紹介します。
見た目からは全く分かりませんが、什器の軽さや強度を左右する重要な内部構造です。
「フラッシュ構造」とは?
フラッシュ構造とは、細い木材でハシゴ状に組んだ枠組み(芯材)の両面に、薄い合板(化粧板など)を貼り合わせた「中身が空洞」の板のことです。
日本の特注什器製作において、最も標準的に使われる構造です。
- 役割①:重量を劇的に軽くする
分厚い天板や大きな扉でも、中身の大部分が「空気」であるため非常に軽く仕上がります。
これにより、店舗への搬入や設置がラクになり、扉の開閉もスムーズになります。 - 役割②:材料費(コスト)を抑える
中身が詰まった分厚い木材を使用するよりも、材料の量を大幅に減らすことができるため、コストダウンに直結します。
💡 補足:ビスを打つ場所には「芯」を入れる
中が空洞のフラッシュ構造ですが、丁番(蝶番)などの金物やビスを取り付ける予定の場所には、あらかじめ内部に木材(芯材)を隙間なく詰めておくことで、ネジが抜けないように強度を保ちます。
「ベタ芯(べたしん)」とは?
ベタ芯とは、フラッシュ構造とは対照的に「中身に空洞がない(全て芯材が詰まっている)」板のことです。
パーティクルボードやMDF、ベニヤ板などの材料を重ね合わせて厚みを出します。
- 役割①:高い強度と耐久性を保つ
中身がギッシリと詰まっているため、圧倒的な強度を誇ります。
本やお酒など重い商品を載せる棚板や、什器全体を支える側面のパネルなど、絶対にたわませたくない(曲げたくない)荷重のかかる部分に採用されます。 - 役割②:どこでも自由にビスが打てる
空洞がないため、後からどこにでも自由にフックや金物、ビスを取り付けることができます。
💡 補足:重さとコストには注意
非常に頑丈ですが、その分什器自体の重量がずっしりと重くなり、材料費も高くなります。
そのため、全てをベタ芯で作るのではなく、必要な部分に絞って(適材適所で)使われるのが一般的です。

まとめ
| 用語 | 構造 | 特徴とメリット | 適した用途 |
| フラッシュ構造 | 中が空洞 | 軽くてコストが安い | 一般的な什器の本体、扉、天板 |
| ベタ芯(べたしん) | 中身が詰まっている | 頑丈でたわみにくく、どこでもビスが効く | 重いものを載せる棚板、強度が必要な柱 |
分厚くて立派なレジカウンターが意外と軽かったり、逆に薄い棚板のカラーボックスがずっしりと重かったりするのは、この「フラッシュ構造」と「ベタ芯」を使い分けているからです。
「この棚には重い商品を置きたい」「後からここにフックを追加するかもしれない」といった要望を事前に伝えておくことで、製作会社はこれらの構造を最適に使い分けて設計してくれます。
ぜひ打ち合わせの参考にしてみてください。
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