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スチール薄板板金での量産カウンター製作|大阪・愛知2社購買による生地検品

2026.05.25
ブログ

こんにちは、什器たろうです。

今回は、昔から懇意にしていただいているクライアント様からのご依頼で進行している、スチール(薄板板金)製のカウンターセットの量産プロジェクトについてご紹介します。

本案件は愛知県と大阪府の2社購買体制で製作を進めており、先日は大阪の協力工場へ足を運び、量産に向けた綿密な打ち合わせと生地検品を行ってきました。

1. 大阪の協力工場での製作打ち合わせ

量産案件において最も重要なのは、最初の「基準づくり」です。

今回は大阪の板金工場に出向き、現場の職人さんたちと図面を広げながら打ち合わせを行いました。

1台の特注品を作るだけなら職人の感覚や手作業で解決できることも、大量生産となると話は別です。作業効率を上げ、すべての製品の品質を均一に保つためには、専用のタレパン型(タレットパンチプレス用の金型)を起こすという判断が量産では極めて重要になります。

タレパン型は、汎用金型では対応できない特殊な穴形状や複雑な抜きパターンを、一発で正確に打ち抜くために製作する専用工具です。初期投資は発生しますが、一度型を起こせば、何百台・何千台と同じパーツを寸分違わぬ精度で量産でき、結果として1台あたりのコストは大きく下がります。今回の打ち合わせでも、どの加工をタレパン型化し、どの加工をベンダー(曲げ加工機)側で吸収するか、工場の加工担当者と入念にすり合わせました。

「型を起こすべきか、汎用工具で対応するか」の判断は、ロット数・部材形状・要求精度を総合的に見て決まる、量産設計の肝です。

2. 塗装前の「生地検品」で品質のベースを固める

今回の工場訪問では、事前の打ち合わせと併せて、試作機の「生地検品」も実施しました。

生地(きじ)とは、塗装を施す前の金属が剥き出しになった状態のことです。塗装をしてしまうと隠れて見えなくなってしまう溶接の精度や、曲げ加工の角度、パーツ同士の隙間などを、ごまかしの効かない状態で厳格にチェックします。

量産ラインをスタートさせる前に、この生地状態での完璧な仕上がりを確認し、工場側と品質のハードルを共有しておくことが、すべての製品クオリティを均一に保つための絶対条件となります。

3. 愛知・大阪の2社購買体制によるリスクマネジメント

本プロジェクトでは、製作拠点を愛知県と大阪府の2社に分散しています。1社集中ではなく2社購買とすることには、量産案件ならではの明確なメリットがあります。

納期面:1社の生産ラインが何らかの理由で止まっても、もう1社で生産を継続できます。納期遅延リスクを大幅に低減し、多店舗展開のスケジュールにブレが生じません。また、2社で並行生産することで、単純に生産能力が倍となり、タイトな納期にも対応可能です。

価格面:2社に同条件で見積依頼を行うことで、適正価格を見極めることができます。一方の工場の繁忙期に偏った価格設定になることも避けられ、量産全体としてのコストを安定させられます。

品質面:ここが最も難しく、コレカが最も注力している部分です。異なる工場で作っても、納品される製品は同一品質でなければなりません。

そのため、以下のコントロールを徹底しています。

  • 両工場に同一の製作図面・タレパン型仕様および加工指示書を共有
  • 生地検品の基準を両工場で揃え、コレカ担当者が両工場で実際に検品
  • 塗装色・表面仕上げの限度見本を両工場に配布
  • 初回ロットの製品を並べて比較検品し、差異があれば是正

「どちらの工場で作られたか分からない」レベルまで品質を揃えることが、2社購買体制を成立させる大前提です。

4. 量産時は「木製」より「スチール製」にコストメリットあり

カウンター什器と聞くと、まず「木工作り」をイメージされる方も多いと思います。 確かに、1台〜数台のみを作る小ロットの特注であれば、初期費用が抑えやすい木工の方が安く済むケースがほとんどです。

しかし、今回のような大量生産となると状況が逆転します。 スチール薄板板金は、一度加工プログラムや治具のセッティングを決めてしまえば、機械加工でスピーディーかつ正確に同じパーツを量産できます。そのため、一定のロット数を超えると、1台あたりの製作コストは木工よりもスチール製の方が大きく下がるというコストメリットがあります。

5. 商業施設で必須となる「不燃」もクリア

さらに、スチール製什器ならではの大きな強みが「不燃材」である点です。

大型の商業施設や駅ビルなどでは、厳しい内装制限により、持ち込む什器に対しても高い不燃性能が求められるケースが多々あります。スチールは素材そのものが燃えないため、木工ベースに不燃ボードを貼り合わせるような複雑でコストのかかる工程を踏むことなく、シンプルに安全基準(消防等の規定)をクリアすることができます。

まとめ

什器製作においては、「木には木の強み」「鉄には鉄の強み」があり、作る数や用途によって正解が変わります。また、量産案件では単一工場に依存しない調達体制を組むことで、納期・価格・品質の三拍子を安定的にコントロールすることが可能です。

コレカでは、お客様の「必要な台数」「設置環境」「ご予算」を総合的に判断し、全国の協力工場ネットワークの中から最適な素材と製作方法をご提案しています。複数拠点での並行生産による納期短縮や、品質を揃えるための検品体制構築も含めて、ワンストップでお任せいただけます。

多店舗展開に向けた量産什器のコストダウンや仕様見直しをご検討の際は、ぜひコレカにご相談ください。

 

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