
ようこそ、コレカがお届けする特注什器づくりのための仕上げ加工講座へ。
特注什器の製作において、最終的な仕上がりのクオリティを大きく左右するのが「ブランドロゴ」や「サイン」の表示です。什器は単なる陳列棚ではなく、ブランドの世界観を伝える重要なメディアでもあります。
ロゴを入れる手法には様々な種類があり、それぞれに特徴、メリット・デメリットがあります。
「コストを抑えたい」「高級感を出したい」「カラフルなデザインを再現したい」など、目的に合わせて最適な手法を選ぶことが重要です。
今回は、什器によく用いられる代表的な4つのサイン・ロゴ入れ加工手法(カッティングシート、シルクスクリーン印刷、UV印刷、アクリル切り文字)について、プロの視点から解説します。
カッティングシート(CS文字)
色付きの塩ビフィルム(シート)を文字やロゴの形に切り抜き、什器に貼り付ける手法です。
「マーキングフィルム」とも呼ばれます。
街中の看板やウィンドウサインでもよく見かける、最もポピュラーな方法の一つです。
特徴
- あらかじめ着色されたシートを使用するため、発色が良く、色ムラがありません。
- メーカー各社から豊富なカラーバリエーションが用意されており、メタリック調やマット調なども選べます。
メリット
- 比較的手軽で、小ロットから対応可能です。
- 版が不要なため、イニシャルコストを抑えられます。
- 後から剥がすことも可能なので、期間限定のキャンペーンなどにも向いています(※シートの種類や貼る下地によります)。
デメリット
- 基本的には単色での表現となります。複数色使う場合はシートを重ね貼りする必要があり、手間とコストがかかります。
- グラデーションや写真のような表現はできません。
- あまりに細かすぎる文字やデザインは、カットや貼り付けが難しくなります。
適した用途
- 平面へのロゴ入れ
- 単色または少数色のロゴ
- 小ロット~中ロットの生産
- コストを重視する場合

シルク印刷(シルクスクリーン印刷)
メッシュ状の版(スクリーン)に穴を開け、そこからインクを押し出して対象物に印刷する伝統的な手法です。
Tシャツのプリントなどでもおなじみです。
特徴
- インクを厚く盛ることができるため、隠蔽性が高く、耐久性や対候性に優れた力強い仕上がりになります。
- 金属、プラスチック、木材など、様々な素材に印刷可能です。
メリット
- 一度版を作ってしまえば、同じデザインを大量に印刷する場合にコストパフォーマンスが非常に高くなります。
- インクの種類が豊富で、特色(DICやPANTONEなどの指定色)の再現性にも優れています。
デメリット
- 色ごとに版が必要になるため、多色刷りになるほど版代(イニシャルコスト)がかかります。小ロットには向きません。
- フルカラー写真やグラデーションの表現は苦手です(アミ点での表現になります)。
適した用途
- 量産する什器へのロゴ入れ
- 単色~3色程度までのロゴ
- 耐久性が求められる場所


UV印刷(ダイレクト印刷)
デジタルデータを基に、UV(紫外線)で硬化する特殊なインクを素材に直接吹き付けて印刷する手法です。
家庭用のインクジェットプリンターの産業版のようなイメージです。
特徴
- 版が不要で、デジタルデータからダイレクトに印刷します。
- 紫外線で瞬時にインクを硬化させるため、乾燥時間が不要で短納期に対応できます。
- 樹脂、ガラス、金属、木材など、多種多様な素材に印刷可能です。
メリット
- フルカラー印刷、グラデーション、写真などの複雑な表現が可能です。
- 版代がかからないため、小ロットからでもコストを抑えて製作できます。1点ものや、一つ一つデザインが異なる(バリアブル)印刷にも適しています。
- 下地に白インクを引くことで、透明素材や濃色素材にも鮮やかに印刷できます。
- インクを重ねて厚盛りにすることで、凹凸のある質感表現(点字など)も可能です。
デメリット
- 大量生産の場合、シルクスクリーン印刷に比べて時間とランニングコストがかかる傾向があります。
- インクの密着性が素材によって異なるため、事前のテストが必要な場合があります(プライマー処理などで対応)。
- 平面または緩やかな曲面への印刷が基本で、高低差のある立体物への印刷は難しい場合があります。
適した用途
- 小ロット~中ロットの生産
- フルカラーロゴ、グラデーション、写真表現
- 短納期が求められる場合
- 多品種小ロットの什器


アクリル切り文字(立体文字)
アクリル板などの素材を文字やロゴの形にレーザーカットなどで切り出し、什器に取り付ける手法です。「切り文字」「チャンネル文字(箱文字とは異なりますが広義で含まれることも)」などと呼ばれます。
特徴
- 印刷やシートとは異なり、素材そのものの「厚み」による立体感が最大の特徴です。
- アクリルの厚み(3mm、5mm、8mmなど)を選ぶことで、存在感を調整できます。
- 透明アクリル、色アクリル(乳半、黒、白など)、マット板など、素材のバリエーションがあります。また、表面にカッティングシートを貼ったり、塗装したりすることで表現の幅が広がります。
- 金属(ステンレスなど)の切り文字もありますが、什器ではアクリルが一般的です。
メリット
- 平面的なサインに比べて圧倒的な存在感と高級感を演出できます。
- 照明と組み合わせることで、影による演出や、背面発光(バックライト)なども可能です。
デメリット
- 材料費と加工費がかかるため、他の手法に比べてコストは高くなります。
- 什器への取り付けに手間がかかります(接着、ボルト立てなど)。
- あまりに細かい文字や細い線は、カット時や取り扱い時に破損するリスクがあります。
適した用途
- 店舗のメインサインや、什器の顔となる重要な部分
- 高級感を演出したいブランドの什器
- 立体的な表現を求める場合

厚みを持たせてより立体感を強調したい場合は、「カルプ文字」がおすすめです。発泡樹脂を芯材に、アクリルや塩ビ板を貼り合わせて作られた軽量な素材で、金属製(箱文字)よりも低コストで重厚感やアイキャッチ効果を高めることができ、店舗のメインロゴなどによく選ばれます。

現場での具体的な比較事例はこちら
ここまで解説した手法のうち、特にカッティングシート、シルクスクリーン印刷、UV印刷の3つについて、実際の製作現場での様子や具体的な仕上がりの違いを写真付きでレポートした記事もあります。現場ならではの視点も交えて解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
まとめ:最適なロゴ加工を選ぶポイント
それぞれの特徴を比較表にまとめました。
| 加工 | コスト感 | ロット | カラー表現 | 立体感 | 耐久性 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| カッティングシート | 低~中 | 小~中 | ✖単色(重ね貼り可) | ✖ | 中 | 平面ロゴ、短期~中期サイン |
| シルク印刷 | 中(版代別) | 大 | 〇単色・特色向き | ✖ | 高 | 量産ロゴ、耐久性重視 |
| UV印刷 | 中~高 | 小~中 | ◎フルカラー・写真 | △(厚盛) | 中~高 | 多色・写真ロゴ、小ロット |
| アクリル切り文字 | 高 | 小~中 | △素材色/塗装/シート | ◎ | 高 | 高級サイン、立体表現 |
✅ コスト重視でシンプルな単色ロゴなら → カッティングシート
✅ 量産品で耐久性を求めるなら → シルクスクリーン印刷
✅ カラフルなロゴや小ロット生産なら → UV印刷
✅ 高級感と存在感を演出したいなら → アクリル切り文字
このように、予算、数量、デザイン、設置環境などに合わせて最適な手法を選ぶことが大切です。
どれを選べば良いか迷った際は、特注什器のプロにご相談ください。お客様の要望に合わせて最適な加工方法をご提案します。
それでは、また次回。特注什器づくりのための仕上げ加工シリーズでお会いしましょう!
・特注什器の仕上げ加工講座①|塗装・粉体塗装・メッキ・電着塗装の違いと選び方をプロが解説
・特注什器の仕上げ加工講座②|木口処理・エッジ仕上げの種類と特徴をプロが解説
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