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特注什器の素材講座⑦|人造大理石・人工大理石・天然石の違いをプロが解説

2026.03.13
什器コラム

ようこそ、コレカがお届けする特注什器づくりのための素材講座へ。このシリーズでは、特注什器製作のオーダーをご検討中のお客様が「なるほど!」と思えるような、素材に関する知識をプロの目線で分かりやすく解説していきます。

「高級感のあるカウンターを作りたい」「石目調の什器にしたい」と考えたとき、選択肢として挙がるのが「天然石」「人造大理石(エンジニアドストーン)」「人工大理石」の3つです。

しかし、名前が似ているため、「何が違うのかよく分からない」「人工大理石と人造大理石は同じものでは?」と混同されることが非常に多い素材でもあります。

今回は、特注什器のプロがこれら3つの「石(および石調素材)」の違い、特徴、そして店舗什器における正しい選び方を徹底解説します。

そもそも「人工大理石」と「人造大理石」は別物!

まず最初に、最も間違いやすいポイントを整理しましょう。日本語では一文字違いですが、成分と性質は大きく異なります。

人工大理石(じんこうだいりせき)
天然石の成分は含まれず、アクリル樹脂やポリエステル樹脂を固めて作ったもの。加工性が高く、店舗什器で最もよく使われます。「人大(じんだい)」と呼ばれることが多いです。代表商品:デュポン™コーリアン®など。
人造大理石(じんぞうだいりせき)
天然の水晶(クォーツ)や石の粉砕物を90%以上使い、少量の樹脂やセメントで固めたもの。「半合成」の石材です。天然石に近い硬さと重厚感があり、特に高性能なものは「エンジニアドストーン(クォーツストーン)」とも呼ばれます。

これを踏まえた上で、3つの素材を比較していきましょう。

① 天然石(大理石・御影石)

本物の石を切り出した素材です。自然が作り出した唯一無二の模様が最大の魅力です。


焦点を当てることで、明暗のコントラストを生み出し、立体感や高級感を演出します。
光の角度や距離を調整できるタイプも多く、展示物に合わせて自在に演出が可能です。

 

特徴
  • 圧倒的な高級感
    プリントや樹脂では再現できない深みや光沢、触れた時の冷たさがあります。
  • 唯一無二
    同じ石種でも切り出す場所によって模様が異なります。
  • 熱に強い
    樹脂を含まないため耐熱性は高いです。

 

デメリット・注意点
  • 吸水性がある(シミになりやすい)
    天然素材のため目に見えない微細な穴があり、コーヒーやワインなどをこぼすとシミになりやすいです(撥水コーティングである程度防げます)。
  • 酸に弱い
    特に大理石は酸に弱く、レモン汁や酸性洗剤で表面が白く曇ることがあります。
  • 割れやすい・重い
    運搬や施工に注意が必要です。

 

什器での活用シーン

ハイブランドの陳列台、高級ホテルのカウンターなど、「本物」であることがブランド価値に直結する場所。

 

② 人工大理石(アクリル系・ポリエステル系)

樹脂を主成分とした素材です。什器製作において「石目調」といえば、まずこれを検討するほどスタンダードな素材です。

特徴
  • シームレス加工(継ぎ目なし)
    最大のメリットです。専用の接着剤で接合し研磨することで、**L字カウンターや長尺の天板を「継ぎ目が見えない一体形状」に仕上げることができます。
  • 曲げ加工が可能:
    熱を加えることで曲面に成形できるため、アール形状のカウンターも製作可能です。
  • メンテナンス性が高い
    傷がついても、研磨(サンディング)すれば元通りになります。衛生的で病院や飲食店でも重宝されます。

 

デメリット・注意点
  • 質感は「樹脂」
    進化していますが、天然石や人造大理石に比べると、どうしても「プラスチック感」は否めません。
  • 熱・傷
    樹脂なので、極端な高温や刃物による傷には注意が必要です(補修は可能です)。

 

什器での活用シーン

レジカウンター、受付カウンター、変形テーブル、飲食店のサービス台、トイレの手洗いカウンターなど、あらゆる場所。

 

③ 人造大理石(エンジニアドストーン・クォーツストーン)

「天然石の弱点(吸水性・脆さ)」を克服しつつ、「天然石の美しさ」を持たせたハイブリッド素材です。特に天然クォーツを主成分とするエンジニアドストーンが主流です。

 

特徴
  • 天然石に負けない質感
    成分の90%以上が天然素材(水晶など)なので、見た目や重厚感はほぼ石です。
  • 硬くて丈夫
    水晶はダイヤモンドに次ぐ硬度を持つため、傷に非常に強いです。
  • 吸水率がほぼ0%
    汚れが染み込みにくく、衛生的でメンテナンスが楽です。

 

デメリット・注意点
  • 加工が難しい
    硬すぎるため、現場でのカットや穴あけは困難です。工場での精密な加工が必要です。
  • 継ぎ目(ジョイント)が見える
    人工大理石のように溶かして繋ぐことができないため、長いカウンターの場合はコーキング等の継ぎ目が必ず出ます。
  • 重量とコスト
    天然石同様に重く、価格もグレードによっては天然石より高価になることがあります。

 

什器での活用シーン

高級キッチンの天板、バーカウンターの天板、傷をつけたくないが高級感を出したい商品展示台。

 

 

比較表】プロが教える選び方の基準

それぞれの特徴を表にまとめました。

項目人工大理石人造大理石 (エンジニアドストーン)天然石
主な成分樹脂 (アクリル/ポリ)天然水晶 + 樹脂天然の岩石
見た目・質感均一・温かみがある高級感・リアルな石の深み唯一無二・重厚
継ぎ目シームレス (見えない)見える見える
傷・摩耗つきやすい (補修可能)非常に強い石種による (割れ注意)
水・汚れ強い (染み込まない)非常に強い弱い (染み込みやすい)
加工自由度高い (曲げ・穴あけ容易)低い (硬い)低い (割れやすい)
コスト目安高~超高

 

什器製作における「選び方」のポイント

什器のプロとして、お客様に提案する際の判断基準は以下の通りです。

  1. 「変形・長尺・曲面」なら人工大理石
    L字型やU字型のカウンター、あるいは3メートルを超える長いカウンターで「一本の塊に見せたい」場合は、シームレス加工ができる人工大理石一択です。
     
  2. 「平らな天板・高級感・耐久性」なら人造大理石(エンジニアドストーン)
    ジュエリーケースの天板や、フラットなレジ台で、とにかく高級感を出したい、かつメンテナンスを楽にしたい場合は人造大理石(クォーツストーン)が最適です。
     
  3. 「ブランドの象徴」なら天然石
    効率や機能性よりも、「本物を使うこと」に意味がある場合は天然石を使います。ただし、メンテナンス計画も含めて検討する必要があります。

 

まとめ

「石目調」といっても、素材によって「できる加工」「できない加工」がはっきりと分かれます。

 

  •  自由自在な加工とメンテナンス性なら「人工大理石」
  •  天然石の美しさと最強の強度のいいとこ取りなら「人造大理石(エンジニアドストーン)」
  •  唯一無二のオーラなら「天然石」

 

コレカでは、ご予算、デザイン、設置場所の用途に合わせて、最適な石材・石目調素材をご提案・製作いたします。

人工大理石よりも安価な石目調の化粧板も豊富に取り揃えておりますので、 「こんな形のカウンターを作りたいけれど、どの素材が良いか?」といったご相談もお気軽にお申し付けください。

 

 

それでは、また次回、特注什器づくりのための素材講座シリーズでお会いしましょう!

 

これまでのシリーズ一覧

特注什器の素材講座①|スチール・ステンレス・アルミの違いをプロが解説

特注什器の素材講座②|化粧板とは?メラミン・ポリ・突板の違いと選び方をプロが解説

特注什器の素材講座③|プラスチック・樹脂の違いとアクリル板をプロが解説

特注什器の素材講座④|ガラスの種類と特徴をプロが解説

特注什器の素材講座⑤|合板・MDF・パーティクルボードの特徴と違いをプロが解説

特注什器の素材講座⑥|照明の種類・色温度・素材との相性をプロが解説

 

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