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特注什器の仕上げ加工講座③|ステンレスの研磨仕上げ(ヘアライン・鏡面・バイブレーション)の違いをプロが解説

2026.01.09
什器コラム

ようこそ、コレカがお届けする特注什器づくりのための仕上げ加工講座へ。

このシリーズでは、特注什器製作のオーダーをご検討中のお客様が「なるほど!」と思えるような、素材に関する知識をプロの目線で分かりやすく解説していきます。

「ステンレス」と一口に言っても、その表情は千差万別です。素材講座①ではステンレスの基礎知識をお伝えしましたが、今回は什器の「顔」を決める表面処理(研磨仕上げ)に特化して深掘りします。

同じ形状の什器でも、仕上げを変えるだけで「高級ジュエリーショップ」に合うのか、「インダストリアルなカフェ」に合うのかがガラリと変わります。

今回は、代表的な仕上げであるヘアライン、鏡面、バイブレーションの特徴と、プロ視点での選び方(傷・指紋対策)を解説します。

什器の表情を決める「3大ステンレス仕上げ」

まずは、それぞれの見た目の特徴と、どのような空間で採用されるかを見ていきましょう。

① ヘアライン(HL:Hairline)

最もポピュラーで、汎用性が高い仕上げです。 髪の毛(Hair)のような細く長い筋目を一方向に通した加工です。金属特有の冷たさとシャープさを演出でき、照明の映り込みを適度に抑えます。

  • 印象:シャープ、整然、モダン
  • 用途:どのような空間でも使いやすい。枠材、手すり、巾木など。

② 鏡面仕上げ(#800 / ミラー)

その名の通り、鏡のように景色が映り込むまで磨き上げた仕上げです。 業界では「#800(ハッピャクバン)」とも呼ばれます。空間を広く見せる効果や、圧倒的な高級感を演出しますが、加工に手間がかかるためコストは高めです。

  • 印象:ラグジュアリー、非日常、煌びやか、洗練
  • 用途:高級ブランドのディスプレイ、医療衛生・理美容品の什器、アクセントパーツ、柱の装飾など。

③ バイブレーション(PH / パーマネントヘアライン)

円弧状の研磨目をランダムにつけた仕上げです。 「使い込まれたような」独特の風合いがあり、光沢が鈍くマットな質感が特徴です。近年、インダストリアルデザインや和モダンな空間で非常に人気があります。

  • 印象:落ち着き、アンティーク、重厚感
  • 用途:天板、カウンター、カフェの什器、壁面パネル。

「傷の目立ちにくさ」徹底比較表

店舗什器で最も懸念されるのが、日々の使用による「ひっかき傷」です。 見た目の美しさだけでなく、メンテナンス性を考慮した選び方が重要です。プロの視点で比較表にまとめました。

仕上げ傷の目立ちにくさ指紋の目立ちにくさ特徴
ヘアライン△ (普通)研磨目と「垂直方向」に入った傷は目立つ。平行な傷ならある程度隠れる。
鏡面 (#800)× (目立つ)×人が触れる場所には非推奨。細かな拭き傷すら目立つため、維持管理が大変。
バイブレーション◎ (非常に強い)天板・カウンターに最適。最初からランダムな傷模様があるため、新しい傷が馴染みやすい。

 
レジカウンターや商品陳列台など、「物が置かれる」「人が触れる」場所にはバイブレーション仕上げが圧倒的におすすめです。
逆に鏡面は、人の手が届かない高所の装飾や、触れる頻度の低いディスプレイケース内などに限定して使うのが鉄則です。

 

空間イメージによる使い分け

高級店・ラグジュアリー(宝飾・化粧品)
  • 推奨:鏡面 + 高品質なヘアライン

きらびやかさを出すために鏡面をアクセントに使いつつ、ベースは目の細かいヘアラインで上品にまとめるのが王道です。
最近では、あえてバイブレーションを使い「鈍い光」で重厚な高級感を出すブランドも増えています。

 

カジュアル・インダストリアル(カフェ・アパレル)
  • 推奨:バイブレーション(粗め) or 素地(2B)

ピカピカの新品感よりも、素材そのものの無骨さが好まれます。バイブレーション仕上げは、デニムや古材、コンクリートとの相性が抜群です。


「指紋」への対策:クリア塗装は必要か?

ステンレス什器の最大の悩みは「手垢・指紋」です。
これを防ぐために「クリア塗装(セラミック塗装など)」をするかどうかの判断が必要です。

クリア塗装のメリット
  • 指紋がつきにくく、ついても拭き取りやすい。
  • 錆や腐食に対してさらに強くなる。
クリア塗装のデメリット
  • ステンレス本来の「金属の質感」が薄れ、少しビニールっぽい膜厚感が出ることがある。
  • 経年劣化で塗膜が剥がれると、補修が難しい(塗り直しが必要)。
  • コストが上がる。


プロの結論

「お客様がベタベタ触る場所」(飲食店のテーブル、手すり、ドアハンドル)には、指紋レスコートやクリア塗装を推奨します。

「質感重視の場所」(壁面パネル、見た目重視の装飾)は、金属のリアルな質感を活かすために、あえて無塗装をおすすめします。

まとめ

ステンレスは「仕上げ」の選び方一つで、高級品にも無骨な道具にも化ける面白い素材です。

傷を気にするなら: バイブレーション
キラキラさせたいなら: 鏡面
モダンに見せたいなら: ヘアライン

使用する場所(天板なのか、壁面なのか)と、お店のグレード感に合わせて最適な加工を選定することが、長く愛される店づくりの秘訣です。

コレカでは、用途・デザイン・コストに応じて最適な仕上げをご提案しています。 

「自分の店にはどの仕上げが合うのか?」「図面に合わせて最適な仕上げを提案してほしい」という場合は、ぜひお気軽にご相談ください。


それでは、また次回。特注什器づくりのための仕上げ加工シリーズでお会いしましょう!


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