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特注什器の素材講座⑥|照明の種類・色温度・素材との相性をプロが解説

2025.12.26
什器コラム

ようこそ、コレカがお届けする特注什器づくりのための素材講座へ。

このシリーズでは、特注什器製作のオーダーをご検討中のお客様が「なるほど!」と思えるような、素材に関する知識をプロの目線で分かりやすく解説していきます。

今回のテーマは、照明です。

什器の印象を決めるのは、金属や木材といった素材だけではありません。光の当て方ひとつで、同じ什器でも雰囲気や高級感が大きく変わります。特に店舗什器では、商品をより魅力的に見せるための「照明設計」が欠かせません。

今回は、特注什器に組み込まれる照明の種類と、それぞれの特徴・用途について解説します。

主な照明の特徴と用途

ライン照明(LEDバー)

棚下や什器背面に組み込む細長い照明です。

光を均一に当てられるため、影を抑えて素材の質感をきれいに見せることができます。
金属什器や木製什器のどちらにも多く採用され、組み込みやすさも魅力です。

主な用途:

  •  棚下の照明
  •  壁面什器や背面パネルの間接照明
  •  商品ディスプレイの背景演出

✅ 均一な明るさが求められる棚什器や展示什器に最適です。

スポット照明

展示台や壁面什器で、特定の商品を強調したい場合に使用されます。


焦点を当てることで、明暗のコントラストを生み出し、立体感や高級感を演出します。
光の角度や距離を調整できるタイプも多く、展示物に合わせて自在に演出が可能です。

主な用途:

  •  アパレル・アクセサリーなどの単品展示什器
  •  壁面ディスプレイやショーケースのピンポイント照明
  •  新商品コーナー・アイキャッチ演出

✅ 見せたい箇所に視線を集めたい什器に向いています。

間接照明

光源を直接見せず、反射面を介して空間を照らす照明です。


什器の背面や天板の裏などに仕込むことで、柔らかく落ち着いた雰囲気を演出できます。
光が壁面や素材をやさしく包み込み、空間全体に統一感と奥行きを与えます。

主な用途:

  •  背面什器のアクセント照明
  •  カウンターやレジ台の下部間接照明
  •  空間演出を目的とした環境照明

✅ 高級感を出したい什器や、空間全体をつなぐ照明として効果的です。

導光板(LED導光パネル)

アクリル板の内部に光を導く特殊な構造で、面全体が均一に発光する照明パネルです。


アクリル板の片側または両側にLEDを配置し、微細なドットパターンで光を拡散させる仕組みになっています。
これにより照明ムラがなく、薄い板全体を均等に明るくすることが可能です。

厚みが薄く、軽量で、什器の内部や背面に組み込みやすいのも特長です。
デザイン性・メンテナンス性・演出効果を兼ね備えた照明素材として、採用が広がっています。

主な用途:

  •  グラフィック什器・サインボードの背面照明
  •  ショーケースや展示台の背景発光
  •  カウンターや壁面装飾のフラットな発光演出

✅ 均一な明るさと薄型デザインが求められる什器に最適です。

ダウンライト(埋込型照明)

什器の天板やフレームに埋め込むタイプの照明です。


光源を見せないため、什器全体がすっきりとした印象に仕上がります。
局所的に明るさを加えたい場合や、展示物を上から照らしたい場合に効果的です。

用途:

  •  ガラスケースや展示台上部の照明
  •  陳列棚のピンポイント演出
  •  天板一体型什器の組込型照明

✅ 見せたい商品を明るく照らしつつ、デザイン性を保ちたい什器に向いています。

照明の色温度と演出効果

照明の「色温度」は、素材の見え方や空間の印象を大きく左右します。
一般的には「ケルビン(K)」という単位で表され、数値が低いほど暖かい色味、高いほど白くクールな光になります。
什器や展示内容に合わせて、適切な色温度を選ぶことが大切です。

色温度の種類光の特徴主な印象・演出効果主な用途例
電球色(約2700〜3000K)暖かみのあるオレンジ系の光柔らかく落ち着いた印象。リラックス感・高級感を演出。木製什器、雑貨・アパレル・カフェ什器など
温白色(約3500〜4000K)自然でバランスの取れた中間色素材本来の色を自然に見せる。空間全体を柔らかく照らす商業施設全般、インテリア什器、オフィス受付什器など
昼白色(約5000K)明るく自然光に近い白色清潔感・明瞭感を演出。色再現性が高く、商品の展示照明に適する。金属什器、アクリル什器、コスメ・医療系什器など
昼光色(約6500〜6700K)青みを帯びたクールな光シャープで現代的な印象。素材の輪郭や透明感を際立たせる。ガラス什器、展示会ブース、ハイテク・理美容什器など

昼白色は自然光に近い万能な色味ですが、
よりクールでシャープな印象を求める場合は「昼光色」を採用することもあります。
什器の素材や展示する商品の特性に応じて、光の色味を使い分けることが重要です。

設計・施工時のポイント

照明を組み込む際は、デザイン性だけでなく、実用性にも配慮が必要です。

  • 発熱対策:LED照明でも熱がこもる場合があるため、素材変形を防ぐ構造にする。
  • メンテナンス性:交換や清掃がしやすい構造にしておくと、長期運用時も安心。
  • 配線処理:電源や配線を丁寧に隠すことで、什器の仕上がりと安全性が向上する。

まとめ|素材別おすすめ照明

照明は、単なる付属要素ではなく「素材をの魅力を最大限に引き出すため素材」です。


ライン照明・スポット・間接照明・導光板・ダウンライトなどを適材適所に使い分け、
さらに色温度を意識して選定することで、素材の魅力や商品の印象を自在にコントロールできます。

素材おすすめ照明タイプ推奨色温度演出効果・ポイント
木製什器間接照明・ライン照明電球色〜温白色温かみと落ち着きを演出。木目の陰影を美しく見せる。
金属什器スポット照明・ダウンライト昼白色〜昼光色クールでシャープ。金属の反射や質感を際立たせる。
アクリル什器導光板・ライン照明昼白色均一な光で透過性を活かす。清潔感と透明感を演出。
ガラス什器導光板・スポット照明温白色〜昼白色商品を浮かび上がらせるような立体感を演出。

特注什器づくりにおいては、「光をどう見せるか」という視点が、デザイン性と実用性を両立させる重要なポイントになります。

コレカ株式会社では、什器の構造設計から照明設計まで一貫して対応しています。
素材や演出に合わせた最適な「光の使い方」をご提案しますので、照明付き什器の製作をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

それでは、また次回、特注什器づくりのための素材講座シリーズでお会いしましょう!


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