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特注什器の素材講座④|ガラスの種類と特徴をプロが解説

2025.10.24
什器コラム

ようこそ、コレカがお届けする特注什器づくりのための素材講座へ。

このシリーズでは、特注什器製作のオーダーをご検討中のお客様が「なるほど!」と思えるような、素材に関する知識をプロの目線で分かりやすく解説していきます。

今回のテーマは、ガラス です。

ガラスは、店舗のショーケースやディスプレイ棚、テーブルトップなど、様々な什器に用いられる素材です。その最大の魅力は、なんといっても「透明感」。商品をクリアに見せ、空間に広がりと高級感を与えてくれる、非常に重要な役割を担っています。

「ガラスは割れやすくて心配」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は技術の進歩により、驚くほど強度と安全性を高めたガラスが数多く存在します。

今回は、そんなガラスの基本的な特性から、什器づくりで知っておきたいガラスの種類と特徴について、詳しく掘り下げていきましょう。

什器素材としての「ガラス」の基本は?

ガラスは、珪砂(けいしゃ)という砂を主原料に、石灰やソーダ灰などを加えて高温で溶かし、冷やし固めて作られます。まずは、什器素材としてガラスを採用する際のメリットとデメリットを整理してみましょう。

✨ 透明性:圧迫感がなく、空間を広く見せ、商品を美しく見せることができます。

💎 高級感・清潔感:光沢のある美しい表面が、上質でクリーンな印象を与えます。

💪 高い表面硬度:砂ぼこり程度では傷がつきにくく、美しさを長く保てます。

💧 耐水性・耐薬品性:水や薬品に強く、汚れも簡単に拭き取れるため、衛生的です。

⚠️ 脆弱(ぜいじゃく)性:衝撃で割れてしまう可能性があります。

🐘 重量: 同じ厚みのプラスチック(アクリル)と比較して重くなります。

🔧 加工の難易度:切断後の穴あけなどの追加工が難しく、コストが上がる傾向にあります。

このような特性を理解した上で、用途や場所に合わせて最適な種類のガラスを選ぶことが、什器づくりにおいて非常に重要になります。

什器でよく使われるガラスの種類

それでは、具体的にどのようなガラスが什器に使われているのかを見ていきましょう。

フロートガラス(普通透明ガラス)

最も一般的で、広く流通している基本的なガラスです。表面が非常に滑らかで、透明度が高いのが特徴です。

特別な機能はありませんが、コストが比較的安価なため、一般的な陳列棚の棚板や、大きな衝撃がかからない場所のガラス扉などに使用されます。

ただし、割れると鋭く尖った破片が飛び散るため、安全性が求められる場所での使用には注意が必要です。


強化ガラス

フロートガラスを熱処理し、強度を約3~5倍に高めたガラスです。
安全性と強度が求められる什器には、この強化ガラスが広く採用されています。

最大の特徴は、万が一割れた際に、破片が粒状に砕けること。これにより、ガラスの破片で大きな怪我をするリスクを大幅に軽減できます。

テーブルトップやガラス扉、不特定多数の人が触れるショーケースなど、安全性が不可欠な場面で活躍します。

高透過(こうとうか)ガラス

通常のガラスに含まれる鉄分(Fe)を極限まで除去し、ガラス特有の青緑色を少なくした、非常に透明度の高いガラスです。「白板(しろいた)ガラス」とも呼ばれます。

商品の色をありのままに、忠実に再現したい場合に最適です。美術館の展示ケースや、化粧品・宝飾品など、商品の繊細な色味が重視されるディスプレイケースでその真価を発揮します。

合わせガラス

2枚のガラスの間に、強靭な樹脂製の中間膜を挟み、熱と圧力で接着したガラスです。

衝撃を受けても、ガラスが中間膜に接着しているため、破片が飛散・脱落しにくいのが大きな特徴です。

貫通にも強いため、防犯性が求められる宝飾店や高級ブランドのショーウィンドウなどによく使用されます。
また、中間膜には紫外線をカットする効果や、遮音性を高める効果もあります。

デザインガラス(装飾ガラス)

意匠性を高めるために、表面に加工を施したガラスの総称です。空間デザインのアクセントとして効果的に使用されます。

  • フロストガラス(すりガラス):表面に微細な凹凸加工を施し、光を柔らかく拡散させる不透明なガラス。視線を遮りつつ、光を取り入れたい店舗のパーティションや間仕切りに使用されます。
  • 型板ガラス:片面に様々な模様をつけたガラス。フロストガラス同様、目隠し効果があります。
  • カラーガラス: ガラス自体に色をつけたり、裏面から塗装を施したりしたガラス。壁面の装飾や、アクセントとしての棚板など、空間に彩りを加えます。

飛散防止フィルムの活用

既存のガラスに安全性を後付けできる、非常に有効な選択肢です。

ポリエステル製の透明なフィルムをガラスの表面に貼り付けることで、万が一ガラスが割れた際に、破片がフィルムに付着したままの状態になり、飛び散るのを防ぎます。

🔧 後から施工可能:すでに設置されている什器や窓ガラスにも施工でき、手軽に安全対策ができます。

💸 コスト:強化ガラスなどに入れ替えるよりも、コストを抑えられる場合があります。

👍 付加機能: UVカットや遮熱、目隠し、防犯性能などを付与したフィルムもあります。

地震対策や、お子様が多く利用する施設の安全強化策としても、非常に有効な手段です。

まとめ:適材適所の選択で、美しく安全な什器を

今回は、什器素材としての「ガラス」について解説しました。

ガラスはその透明感と高級感で、他の素材にはない魅力的な空間を演出します。
一見「割れやすい」という弱点も、「強化ガラス」「合わせガラス」といった高機能なガラスを選択したり、既存のガラスに「飛散防止フィルム」を施工したりすることで、安全性を格段に高めることが可能です。

また、商品の色を正確に見せたいなら「高透過ガラス」、空間にアクセントを加えたいなら「デザインガラス」というように、目的に応じて最適な種類を選ぶことが、什器づくりの成功の鍵となります。

それぞれのガラスの特性を正しく理解し、デザイン、安全性、コストのバランスを考えながら適材適所で使い分けることで、機能的で美しい什器が完成します。

種類特徴主な用途
フロートガラス最も一般的で安価。棚板、フィギュアケースなど
強化ガラス高強度。割れても粒状になり安全性が高い。テーブルトップ、ガラス扉、ショーケース
高透過ガラス抜群の透明度。商品の色を忠実に再現。美術館の展示ケース、宝飾品ディスプレイ
合わせガラス破片が飛散しにくい。防犯性・UVカット効果。ショーウィンドウ、防犯用ディスプレイ
デザインガラス装飾性が高い。目隠しや空間演出に。パーティション、装飾棚、壁面装飾
飛散防止フィルム既存ガラスに施工可能。破片の飛散を防ぐ。既存ガラスの安全強化、地震対策


私たちコレカ株式会社は、長年の経験で培った素材の知識を活かし、お客様一人ひとりのご要望に最適なご提案をいたします。
「こんなイメージの什器は作れる?」「この予算でどこまでできる?」 素材選びの段階から、ぜひお気軽にご相談ください。
専門のスタッフが、丁寧にお客様の什器づくりをサポートいたします。

それでは、また次回、特注什器づくりのための素材講座シリーズでお会いしましょう!


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