
こんにちは、什器たろうです。
今日は、スチール什器フレームを製作するときに欠かせない 「溶接工程」 について、現場の様子とあわせてご紹介します。
スチールのフレームづくりは、ただ溶接すれば完成…というわけではありません。
寸法のズレを出さない位置決め が非常に重要で、仕上がり精度はここで決まります。
今回は、写真のような 小ロット製作の案件。
専用治具を使うケースとの違いも含めて、現場の考え方をご説明します。
■ スチールフレームの組立ては精度勝負

こちらはスチール角パイプで組んだベースフレーム。
什器の骨格になる部分のため、直角・対角・高さの精度が求められます。
見た目はシンプルですが、
後工程の木工・アクリル・化粧板が正しく納まるかどうかは
この段階の精度にかかっています。
■ 2人体制で歪みを出さないように仮付け溶接

溶接時には、片方がフレームを押さえ、
もう片方が溶接機で「仮付け(タック)」を入れていきます。
スチールは溶接熱でどうしても歪みが出るので、対角線の順番で仮付け → 寸法確認 → 本溶接
という流れで、精度を保ちながら進めます。
■ 小ロットでは“専用治具”よりマグネット治具が向いている理由
量産案件では、フレームをはめ込むだけで寸法が決まる 専用治具 を作ることがあります。
ただし専用治具は、
- 製作コストがかかる
- 治具製作に時間が必要
というデメリットがあり、
今回のような 小ロットでは治具コストのほうが重くなる ケースがあります。
そこで活躍するのが、写真の マグネット治具 です。

■ マグネット治具のON/OFFで、寸法位置決めを調整

マグネット治具は、スイッチ一つで 「ON=磁力あり」「OFF=磁力なし」 を切り替えられます。
これを使って、
- スチール材を直角に位置決め
- 定盤の上で水平・寸法を調整
- ON状態でしっかり固定
- 仮付け → 寸法チェック → 本溶接
という工程で 専用治具なしでも高精度 を実現します。
小ロット生産では、この“マグネット治具の柔軟さ”が本当に強い。
形状変更にもすぐ対応でき、コストも抑えられます。
■ 現場で培われた「治具の使い分け」が品質につながる
スチール什器の溶接は、溶接機の技術はもちろんですが、
同じくらい重要なのが治具の考え方です。
- 量産 → 専用治具で寸法固定
- 小ロット → マグネット治具で柔軟に対応
- どちらの場合も、仮付け→チェック→本溶接が必須
コレカでは、製作点数・形状・納期に合わせて
最適な治具と段取りを選択し、品質とコストを両立しています。
特注スチール什器や小ロット製作のご相談があれば、
お気軽にお問い合わせください。
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